2019年5月20日
デザイナー、ハービー&ジョンが生まれ変わらせた生活用品
筆者:アマンダ ケイド
デザイナーたちは、リッチライトに無限の可能性を見いだします。その創造力に刺激を受けた私たちは、彼らの舞台裏を皆さんと共有したいと思います。イノベーションを起こし、既成概念にとらわれず、新たなものに冒険的挑戦する人々を紹介します。
映像撮影:ニック メユール
Harvey and John //
Brighton, England
In the final showcase of our UK Makers Series, we meet up with dynamic design studio Harvey and John. founded by childhood friends Richard Harvey and Keivor John. They’re pioneers of design because they’re also inventors—redefining everyday objects. To them, design isn’t purely about function, it’s about feeling. Their whole premise is to ignite an emotional response in those who interact with their inventions.
ハービー&ジョン(Harvey and John)
//イギリス ブライトン
リッチライト メーカーシリーズ、イギリス編。作品と触れ合う人々に驚きと喜びを与えることを目的に、幼馴染みのリチャード ハービーとケイヴァー ジョンの2人は、ダイナミックなデザイン工房 「ハービー&ジョン(Harvey & John)」を創設しました。2人は、日用品の定義を変えた発明家であり、デザイン界のパイオニア的存在です。彼らのデザインは、機能だけではなく、使う人々の気持ちを満たすものになっています。
彼らは、日用品のデザインに、その製作過程の喜びや生命力を感じ取ることが出来ず、違和感を覚えました。
そこで、機能を満たすだけでなく、日常の体験を豊かにする作品は作れないかという思いに至りました。
“トロピズム・ウェル”は、2人が共同でデザインした初期の代表作の1つです。ロンドンの公園の噴水式水飲み場のデザインを一新する、一般公募プロジェクトに応募した作品です。従来の水飲み器というのは、なんとも気の利かない設計で、不衛生で、首をひねって飲んでいる姿は不格好。何より、ほとんどの水が顔とシャツを伝って排水溝へ流れ落ちてしまいます。
トロピズム・ウェル(Tropism Well)
“トロピズム・ウェル”をテストし、水量調節をするリチャード ハービー氏
このネガティブな経験が彼らを駆りたて、水飲み器を現実的な視点で見直すと同時に、休暇を楽しむ人々の1日をさらに楽しくしたいという発想が生まれました。インスピレーションを得ようと自然界に目を向けた2人は、重さでしなる草木に注目しました。この茎と水と重力の関係こそが、自然界における草木がしなやかに垂れ下がる動きを造形した“トロピズム・ウェル”の仕組みです。リチャードとケイヴァーは、ひらめきました。重力を利用して、水の重さで水飲み器の注ぎ口がしなるようにしたらどうか?そうすれば、ユーザーにユニークで楽しい体験を届けられると。
このコンセプトに確信を得た2人は、デザインを磨き上げるべく、リッチライトを使って“トロピズム・ウェル”のデザインを改良していきました。
現在、誕生から8年経った“トロピズム・ウェル”は、何百人もの人に水やワインをついでいます。世界中のイベントやパーティー、祝賀会に登場しています。
ハービー&ジョンの最新作“ポアーズ(Pours)”は、“トロピズム・ウェル”の卓上モデル
トロピズム・ウェル(Tropism Well)には、竹の入ったリッチライト「ストラタム」が使用されています。
音楽クレジット:「Ableton Wave Test」「Wizards」by HOME